高圧受電設備の点検頻度・耐用年数について

この記事でわかる事

・点検頻度について
・耐用年数について
・必要な資格は?

高圧設備の点検頻度は?


◇高圧受変電設備の点検頻度は、経済産業省「告示第249号」に基づいて定めます。設備によって頻度が変わるため注意が必要です。簡易的に解説を行います。詳細については「告示第249号」を確認下さい。

■需要設備

点検頻度

◇需要設備にあっては毎月一回以上、以下の条件によって点検頻度が変わる。

①条件
設備条件の全てに適合する信頼性の高い需要設備であって設備容量が100kVA以下のもの又は低圧受電の需要設備にあっては隔月一回以上

設備条件とは?以下に該当する事
 イ 柱上に設置した高圧変圧器がないもの
  ロ 高圧負荷開閉器(キュービクル内に設置するものを除く。)に可燃性絶縁油を使用していないもの
 ハ 保安上の責任分界点又はこれに近い箇所に地絡保護継電器付高圧交流負荷開閉器又は地絡遮断器が設置されているもの
 ニ 責任分界点から主遮断装置の間に電力需給用計器用変成器、地絡保護継電器用変成器、受電電圧確認用変成器、主遮断器用開閉状態表示変成器及び主遮断器操作用変成器以外の変成器がないもの

②条件
絶縁状態の監視が可能な装置を有する需要設備又は、低圧電路に漏電遮断器が設置してある需要設備 隔月一回以上

③条件
需要設備であって、次のイ及びロの設備条件に適合するものにあっては三月に一回以上

◇設備条件とは?以下に該当する事
イ 受電設備がキュービクル式であるもの(屋内に設置するものに限る。)
ロ 蓄電池設備又は非常用予備発電装置がないもの
条件イ、ロに加え①にも適合する場合。

ポイント
条件によっては最大三月に一回以上になるが、条件のイに該当する設備は少ない為ほとんど毎月か隔月点検になる。

■太陽光発電所又は蓄電所

点検頻度

・太陽光、蓄電所にあっては六カ月に一回以上以下の附帯設備に関しては点検頻度が変わる。

条件②
受変電設備であって、第六号ただし書の需要設備に準ずるものは六月に一回以上

条件③
受変電設備であって、設備条件の全てに適合する信頼性の高いもの又は低圧受電のものは三月に一回以上

条件④
条件①~③以外の受変電設備は二月に一回以上

太陽光発電所の点検頻度に関しては産業保安監督部のHPより点検頻度確認フローがあります。フロー図に沿って点検頻度を確認して下さい。

※詳細については産業保安監督部HP 点検頻度フローを確認下さい。

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耐用年数について


◇電気機器は老朽化すると故障のリスクも上がり、急な停電など引き起こしてしまう可能性があります。リスクを下げるためにも定期的な更新が必要です。

日本電機工業会(JEMA)より各機器の更新推奨時期がまとめられています。☟

 機種更新推奨時期
高圧交流負荷開閉器屋内用 15年または開閉回数200回
断路器20年または操作回数1000回
高圧交流遮断器20年
計器用変成器15年
保護継電器 15年
高圧限流ヒューズ屋内用 15年
高圧交流電磁接触器15年
コンデンサ・リアクトル15年
変圧器20年
配線用遮断器15年

※使用環境やメーカーによっても更新推奨は変わるため参考程度にお願いします。

更新ポイント

15年での更新が多く、このタイミングで一式更新する方が手間が少なく個々で更新するより全体で見ると安くなる可能性があります。

必要な資格


◇点検をするにあたって必要な資格は特にありませんが外部委託や選任になる場合は以下の資格が必須となります。

資格

・電気主任技術者
・電気工事士
※実務経験が必要な場合があり。

実務経験について
①選任された電気主任技術者として実務に従事した場合又は選任された電気主任技術者の下で当該選任された事業場に常駐して実務に従事した場合。
②電気管理技術者又は保安業務従事者の補助者として実務に従事した場合。
③電気工事業者又は電気工事業者の 従業者として実務に従事した場合。

※詳細の実務経験の該当するかの判断は、管轄の産業保安監督部へ確認して下さい。

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長野電気管理事務所

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電気設備の点検を得意とし、竣工検査、使用前自己確認、太陽光O&M、保安管理業務など、SNSも随時更新中です。

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