QHA-OC1、QHA-OC1(富士電機製)過電流継電器について

この記事でわかる事

・試験の管理値
・接続図
・試験手順について

※実際の試験時に確認したい項目に絞り記載しております。
 詳細についてはメーカー取説を参照して下さい。

試験時の管理値について


管理値について

・行った試験の値が判定基準内に収まっているか確認します。

試験項目判定基準
最小動作限時整定値の10%
瞬時整定値の15%
動作時間限時整定値の300%試験⇒公称値の±17%
整定値の700%試験⇒公称値の±12%
瞬時整定値の200%試験⇒50ms以下
慣性特性瞬時不動作※

※検査条件 瞬時要素:10A 入力電流:整定の80%
 上記の条件で急激に加えても動作しないことを確認。

動作時間特性 メーカー管理値

条件:限時要素:3A整定 ダイヤル:10整定

超反限時(EI)

入力倍数%動作時間(%)判定基準(s)
200%22.14~31.20s以内
300%10.00±17%8.30~11.70s以内
500%2.93~3.73s以内
700%1.67±12%1.47~1.87s以内
1000%0.71~0.91s以内

計算式☟

計算式
 I=整定値に対する倍数
 D=ダイヤル

 時間=(80/I^2-1)×(D/10)s

・例
条件:倍数=200% ダイヤル=10
(80/2^2-1)×(10/10)=26.67s
判断基準:26.67±17%=22.14~31.20s以内

強反限時(VI)

入力倍数%動作時間s判定基準(s)
200%11.21~15.80s以内
300%6.75±17%5.60~7.90s以内
500%2.97~3.79s以内
700%2.25±12%1.98~2.52s以内
1000%1.32~1.68s以内

計算式☟

計算式
 I=整定値に対する倍数
 D=ダイヤル

 時間=(13.5/I-1)×(D/10)s

・例
条件:倍数=200% ダイヤル=10
(13.5/2-1)×(10/10)=13.5s
判断基準:13.5±17%=11.21~15.80s以内

反限時(NI)

入力倍数%動作時間s判定基準(s)
200%8.32~11.74s以内
300%6.30±17%5.23~7.37s以内
500%3.77~4.79s以内
700%3.53±12%3.11~3.95s以内
1000%2.61~3.33s以内

計算式☟

計算式
 I=整定値に対する倍数
 D=ダイヤル

 時間=(0.14/I^0.02-1)×(D/10)s

・例
条件:倍数=200% ダイヤル=10
(0.14/2^0.02-1)×(10/10)=10.02s
判断基準:10.02±17%=8.32~11.74s以内

定限時(DT)

入力倍数%動作時間s判定基準(s)
200%1.66~2.34s以内
300%2.00±17%1.66~2.34s以内
500%1.76~2.24s以内
700%2.00±12%1.76~2.24s以内
1000%1.76~2.24s以内

計算式☟

計算式
 D=ダイヤル
 時間=2 ×(D/10)s

・例
条件:倍数=200% ダイヤル=10
2 ×(10/10)=2.00s
判断基準:2.00±17%=1.66~2.34s以内

接続図


接続イメージ

保護継電器と試験機器との接続方法、以下の図を参照。

◇QHA-OC1

◇QHA-OC2

接続後、試験機器の電流が流れない場合

接続が間違っている可能性があります、再度結線を確認して下さい。

試験手順


STEP
動作チェック

①周波数、特性などの初期設定を
 行ってから試験を開始。

②表示選択を時限経過にし
 1A以上で運転が点灯
 点灯しない場合は接続図を再確認

STEP
動作確認

①LEDの00が点灯した値が
 限時動作電流になる。

試験時のポイント

瞬時など大電流を流す場合は素早く行う。
長時間通電してしまうと試験機等の故障つながる。

その他確認ポイント

耐用年数:15年
周囲温度:-20℃~50℃

試験時に同時に確認しておくことで
交換時期の目安が確認できます。

当事務所でも保護継電器試験を行ております。
お気軽にお問い合わせください。

長野電気管理事務所

長野電気管理事務所

電気設備の点検を得意とし、竣工検査、使用前自己確認、太陽光O&M、保安管理業務など、SNSも随時更新中です。

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