・耐圧試験をする根拠
・6.6kVの耐圧方法
・省略できる場合に(常規対地電圧試験)
なぜ耐圧試験を行うのか?
◇低圧回路であれば一般的に絶縁抵抗測定を測定します。高圧回路も絶縁抵抗測定を測定する
が竣工、更新時などは絶縁耐力試験を行います。
なぜ、絶縁耐力試験による絶縁性能を確認するのか。電技解釈の解説に記載があります。
第15条【高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能】
絶縁抵抗試験は一つの目安としては意味があるが、使用電圧が高くなると十分にその効力を発揮することができないので、絶縁耐力試験により絶縁の信頼度を定めている。
電気設備の技術基準の解釈の解説より
絶縁抵抗測定はあくまでも目安程度であり絶縁の確認は耐圧の方が信頼度が高い。
耐圧試験方法について
◇一般的に6.6kV系のキュービクルが多いため6.6kVを基準に解説していきます。
■電路の場合(高圧ケーブル)
◇最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を印加しこれに10分間耐える性能が求められます。
・印加電圧
6600v×1.15/1.1×1.5倍=10350v
◇ケーブルに関しては交流の試験電圧の2倍の直流電圧を10分間印加することによっても絶縁性能の確認が行えます。
・印加電圧(直流)
6600v×1.15/1.1×1.5倍×2倍=20700v
■機械器具等の場合
ケーブルと同じく試験電圧で10分間耐えることが求められます。
・印加電圧
6600v×1.15/1.1×1.5倍=10350v
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耐圧が省略できる常規対地電圧とは?
◇高圧の電気設備を耐圧する根拠としては電技解釈第16条 にり機械器具の等の絶縁性能がどうあるべきか書かれています。絶縁性能の確認は上記で記載した耐圧だけではなく別の方法もあります。
■電技解釈16条第1項第2号より☟
民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会が承認した規格である「電路の絶縁耐力の確認方法」の「適用」の欄に規定する方法により絶縁耐力を確認したものであること。「電路の絶縁耐力の確認方法」の規定する方法によって絶縁性能を確認してもいいことが分かります。
電路の絶縁耐力の確認方法とは?
◇JESC E7001より各機器の確認方法が記載されています。主要機器に絞り下記に記載します。
・適用規格:JEC-2200
三菱製:油入変圧器 (EX-αシリーズ)の場合
JEC-2200-2014, JEM 1500:2014の規格をクリアしていることが確認できる。
・適用規格:JEC-2300
三菱製:真空遮断器 (VF-Dシリーズ)の場合
JEC-2300-1998, JIS C 4603-1990の規格をクリアしていることが確認できる。
・適用規格:JEC-1201
三菱製:計器用変流器 (CD-40NA)の場合
JIS C 1731-1・JEC-1201-2007の規格をクリアしていることが確認できる。
・適用規格:JEC-1201
三菱製:計器用変圧器 (PD-50HF)の場合
JIS C 1731-2・JEC-1201-2007の規格をクリアしていることが確認できる。
◇大手メーカーなら規格の記載がHPにて確認できます。海外製など使用される場合は商社経由での確認が必要に。新品の場合は規格に沿った製品であることを確認した上で常規対地電圧試験を実施でよいが以下の場合は現地での絶縁耐力試験を行った方がよいです。
・高圧ケーブルの端末処理をした場合
・機器が中古である場合
・QB内を改造している場合
・落雷などの自然災害があった場合
このようなケースでいきなり常規対地電圧は危険な為、現地での絶縁耐力試験を推奨します。
当事務所では絶縁耐力試験のみも行っております。
お気軽にお問い合わせください。
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