高圧受電設備の耐圧試験について解説

この記事でわかること

・耐圧試験をする根拠
・6.6kVの耐圧方法
・省略できる場合に(常規対地電圧試験)

目次

なぜ耐圧試験を行うのか?


低圧回路であれば一般的に絶縁抵抗測定を
測定します。高圧回路も絶縁抵抗測定を測定する
が竣工、更新時などは絶縁耐力試験を行います。

なぜ、絶縁耐力試験による絶縁性能を
確認するのか。
電技解釈の解説に記載があります。

第15条【高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能】

絶縁抵抗試験は
一つの目安としては意味があるが、
使用電圧が高くなると十分にその効力
を発揮することができないので、
絶縁耐力試験により絶縁の信頼度を
定めている

電気設備の技術基準の解釈の解説より

まとめ
絶縁抵抗測定はあくまでも目安程度
であり絶縁の確認は耐圧の方が
信頼度が高い

耐圧試験方法について


一般的に6.6kV系のキュービクルが多いため
6.6kVを基準に解説していきます。

電路の場合(高圧ケーブル)

最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を印加し
これに10分間耐える性能が求められます。

・印加電圧
 6600v×1.15/1.1×1.5倍=10350v

最大使用電圧とは?
電技解釈第1条第二号より以下の
係数を乗じた値が最大使用電圧となる

1,000Vを超え500,000V未満は
1.15/1.1になります。

・直流電圧でも行える。
ケーブルに関しては交流の試験電圧の2倍を
10分間印加することによっても絶縁性能の
確認が行えます。

・印加電圧
 6600v×1.15/1.1×1.5倍×2倍=20700v

機械器具等の場合

ケーブルと同じく試験電圧は
6600v×1.15/1.1×1.5倍=10350v
となりこれに10分間耐えることが求められます。

耐圧が省略できる常規対地電圧とは?


高圧の電気設備を耐圧する根拠としては
電技解釈第16条 にり機械器具の等の絶縁性能が
どうあるべきか書かれています。

絶縁性能の確認は上記で記載した耐圧だけでは
なく別の方法もあります。

電技解釈16条第1項第2号より

民間規格評価機関として日本電気技術規格
委員会が承認した規格である
「電路の絶縁耐力の確認方法」の「適用」
の欄に規定する方法により絶縁耐力を確認
したもの
であること。

「電路の絶縁耐力の確認方法」の規定する
方法によって絶縁性能を確認してもいいことが
分かります。

電路の絶縁耐力の確認方法とは?

JESC E7001より各機器の確認方法が
記載されています。その中でも主要機器に絞り
下記に記載します。

Tr

・適用規格:JEC-2200

三菱製:油入変圧器 (EX-αシリーズ)の場合

JEC-2200-2014, JEM 1500:2014の規格を
クリアしていることが確認できる。

VCB

・適用規格:JEC-2300

三菱製:真空遮断器 (VF-Dシリーズ)の場合

JEC-2300-1998, JIS C 4603-1990の規格を
クリアしていることが確認できる

CT

・適用規格:JEC-1201

三菱製:計器用変流器 (CD-40NA)の場合

JIS C 1731-1・JEC-1201-2007の規格を
クリアしていることが確認できる

VT

・適用規格:JEC-1201

三菱製:計器用変圧器 (PD-50HF)の場合

JIS C 1731-2・JEC-1201-2007の規格を
クリアしていることが確認できる

大手メーカーなら規格の記載がHPにて
確認できます。

海外製など使用される場合は商社経由での
確認が早いかもしれません。

新品の場合は規格に沿った製品であること
を確認した上で常規対地電圧試験を実施で
よいが以下の場合は現地での絶縁耐力試験
を行った方がよいです。

・高圧ケーブルの端末処理をした場合
・機器が中古である場合
・QB内を改造している場合
・落雷などの自然災害があった場合

このようなケースでいきなり常規対地電圧
は危険な為、現地での絶縁耐力試験を推奨
します。

最後に

当事務所では
絶縁耐力試験のみも行っております。
ご相談、お見積りお待ちしております。

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この記事を書いた人

太陽光業界に従事しており、
得意分野は太陽光関係の点検になります。

使用前自己確認、絶縁抵抗、接地抵抗、耐圧試験
外観検査、保護継電器試験、温度測定....ectなど
電気設備に関する情報発信も行い、私自身も点検
で現場に入っております。

今後もいろいろな設備を点検すべく
情報発信をしていきます。

点検に関するお問い合わせお待ち
しております。

試験内容の確認などにZOOMや
現地へのお伺いも可能です。
お気軽にご相談下さい。

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