MOC-A3V-R(三菱製)過電流継電器試験について

この記事でわかる事

・試験の管理値
・接続図
・試験手順について

※実際の試験時に確認したい項目に絞り
 記載しております。
 詳細についてはメーカー取説を参照して
 下さい。

目次

試験時の管理値について

・現地で行った試験の値が判定基準内に
 収まっているか確認します。

試験項目判定基準
最小動作限時整定値の10%
瞬時整定値の10%
動作時間限時整定値の300%試験⇒公称値の±17%
整定値の700%試験⇒公称値の±12%
瞬時50ms以下
不動作瞬時不動作

動作時間特性 メーカー管理値

条件:限時要素:3A整定 ダイヤル:10整定

超反限時(EI)

入力倍数%動作時間(%)判定基準(s)
200%26.67±17%22.14~31.20s以内
300%10.00±17%8.30~11.70s以内
500%3.33±12%2.93~3.73s以内
700%1.67±12%1.47~1.87s以内
1000%0.81±12%0.71~0.91s以内

・整定が10以外の計算式☟

 I=整定値に対する倍数 D=ダイヤル

 時間=(80/I^2-1)×(D/10)s

 ・例

  条件:倍数=200% ダイヤル=6

  (80/2^2-1)×(6/10)=15.999s

  判断基準:15.99±17%=13.27~18.72s以内

強反限時(VI)

入力倍数%動作時間s判定基準(s)
200%13.50±17%11.21~15.80s以内
300%6.75±17%5.60~7.90s以内
500%3.38±12%2.97~3.79s以内
700%2.25±12%1.98~2.52s以内
1000%1.50±12%1.32~1.68s以内

・整定が10以外の計算式☟

 I=整定値に対する倍数 D=ダイヤル

 時間=(13.5/I-1)×(D/10)s

 ・例

  条件:倍数=200% ダイヤル=6

  (13.5/2-1)×(6/10)=8.10s

  判断基準:8.10±17%=6.72~9.48s以内

反限時(NI)

入力倍数%動作時間s判定基準(s)
200%10.03±17%8.32~11.74s以内
300%6.30±17%5.23~7.37s以内
500%4.28±12%3.77~4.79s以内
700%3.53±12%3.11~3.95s以内
1000%2.97±12%2.61~3.33s以内

・整定が10以外の計算式☟

 I=整定値に対する倍数 D=ダイヤル

 時間=(0.14/I^0.02-1)×(D/10)s

 ・例

  条件:倍数=200% ダイヤル=6

  (0.14/2^0.02-1)×(6/10)=6.02s

  判断基準:6.02±17%=5.00~7.04s以内

定限時(DT)

入力倍数%動作時間s判定基準(s)
200%2.00±17%1.66~2.34s以内
300%2.00±17%1.66~2.34s以内
500%2.00±12%1.76~2.24s以内
700%2.00±12%1.76~2.24s以内
1000%2.00±12%1.76~2.24s以内

・整定が10以外の計算式☟

 D=ダイヤル

 時間=2 ×(D/10)s

 ・例

  条件:倍数=200% ダイヤル=6

  2 ×(6/10)=1.2s

  判断基準:1.2±17%=1.00~1.40s以内

接続図


保護継電器と試験機器との接続方法
以下の図を参照。

MOC-A3T-R

MOC-A3V-RMOC-A3V-RD

接続後、試験機器の電流が流れない
場合は接続が間違っている可能性が
あり、再度結線を確認して下さい。

試験手順


STEP
試験前の動作チェック

①周波数、特性などの初期設定を
 行ってから試験を開始して下さい。

周波数が異なる場合
エラー表示「F.E.」が表示。

表示選択を時限経過に選択し
 1.5A以上でRUNが点灯 
 点灯しない場合は接続図を再度確認

STEP
電流動作確認

表示選択を時限経過に選択し
 1.5A以上でRUNが点灯 
 点灯しない場合は接続図を再度確認

②LEDの0が完全に表示した値が動作値
 カウントが整定の時限になると下の
 表示が切り替わる。

試験時のポイント

瞬時など大電流を流す場合は素早く行う。
長時間通電してしまうと試験機等の故障
つながる。

その他確認ポイント

耐用年数:15年
設置環境:0℃~40℃

試験時に同時に確認しておくことで
交換時期の目安が確認できます。

当事務所でも継電器試験を行っております。
お気軽にご相談下さい。

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この記事を書いた人

太陽光業界に従事しており、
得意分野は太陽光関係の点検になります。

使用前自己確認、絶縁抵抗、接地抵抗、耐圧試験
外観検査、保護継電器試験、温度測定....ectなど
電気設備に関する情報発信も行い、私自身も点検
で現場に入っております。

今後もいろいろな設備を点検すべく
情報発信をしていきます。

点検に関するお問い合わせお待ち
しております。

試験内容の確認などにZOOMや
現地へのお伺いも可能です。
お気軽にご相談下さい。

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