太陽光電池モジュールの直流耐圧試験方法について

この記事でわかる事

・直流耐圧試験時の必要機材
・直流耐圧試験のやり方
・判定基準について

目次

直流耐圧試験時の機材は何がいるのか?


直流耐圧時に必要な機材は以下になります。

  • 直流耐圧試験器
  • DC放電棒
  • DC検電器
  • 温湿度計
  • PV絶縁抵抗計
  • 発電機orバッテリー
  • 短絡用治具
  • 照明

上記リストが、試験をするに
あたっては必要になります。

ここで記載している短絡用治具は
必須ではありませんが
太陽電池モジュール側がMC4の
場合、印加線をつけるのが大変な為
自作しておくと試験の時短になります。

※補足
アマゾンなどで、束になっているのが売っている
ので作成する場合は参考にしてください。

試験のやり方


まず試験として太陽電池モジュールに対して試験を
行います。それ以外は行う必要はありません。

パワコンと接続されている場合は切り離してから
耐圧を行ってください。

メーカーによってはPCSごと電圧を
印加してもいいものもあるが
事前に確認が必要です。

パワコン内部に搭載されている
SPDなど電圧に許容値があるためです。

勝手に印加してしまうとメーカーの
保障対象外になりますので
注意して下さい。

耐圧試験のイメージとして上図の様になります。
※試験器に関しては参考なので画像の機器で
 なくても可能です。

MC4を短絡する際は、日中に行うと短絡電
流が流れ機器の損傷につながります。
大変危険の為、日射がない夜間等の実施を
推奨します。
※曇りでは少ないですが発電しています。

・試験電圧について

試験電圧は以下の式になります。

・パネルの開放電圧×直列枚数×1.5倍=試験電圧値

参考として電技解釈の文面を記載して
おきます。

太陽電池モジュールは、
次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

一 最大使用電圧の1.5倍の直流電圧又は1倍の交流電圧
(500V未満となる場合は、500V)を充電部分と大地との
間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

電気設備の技術基準の解釈より引用

この記事では直流によって耐圧試験を行うため
1.5倍の試験電圧となります。

判定基準とは


耐圧試験の判断基準とし
以下の様になります。

・印加前後の絶縁抵抗に異常がなく
 変色・変形等が認められなかった場合
 判定は良

つまり印加前に一度絶縁抵抗値を測定しておく
必要があります。


報告書に記載する項目(参考例)

試験の記録も保存しておく必要があり
場合によっては提出するため記録しておくべき
事項を記載します。

  • 試験日時
  • 温湿度
  • 天候
  • 検査者
  • 試験器型式・シリアルNo
  • 試験条件
  • 印加電圧
  • 印加前後の絶縁抵抗
  • 時間毎に漏れに異常がなかったか
  • 印加後の判定

今回は、直流耐圧試験に関して解説しましたが
省略できる条件に関しても解説している記事が
ありますので参考にしていただけると幸いです。

なお当事務所では使用前に関する試験業務も
行っております。

ご相談、お見積りお待ちしております。

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この記事を書いた人

太陽光業界に従事しており、
得意分野は太陽光関係の点検になります。

使用前自己確認、絶縁抵抗、接地抵抗、耐圧試験
外観検査、保護継電器試験、温度測定....ectなど
電気設備に関する情報発信も行い、私自身も点検
で現場に入っております。

今後もいろいろな設備を点検すべく
情報発信をしていきます。

点検に関するお問い合わせお待ち
しております。

試験内容の確認などにZOOMや
現地へのお伺いも可能です。
お気軽にご相談下さい。

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