太陽光電池モジュールの直流耐圧試験方法について

この記事でわかる事

・直流耐圧試験時の必要機材
・直流耐圧試験のやり方
・判定基準について

直流耐圧試験時の機材は何がいるのか?


◇直流耐圧時に必要な機材は以下になります。

機材リスト
  • 直流耐圧試験器
  • DC放電棒
  • DC検電器
  • 温湿度計
  • PV絶縁抵抗計
  • 発電機orバッテリー
  • 短絡用治具
  • 照明

ここで記載している短絡用治具は必須ではありませんが太陽電池モジュール側がMC4の場合、印加線をつけるのが大変な為自作しておくと試験の時短になります。

※補足
アマゾンなどで、束になっているのが売っているので作成する場合は参考にしてください。

試験のやり方


◇試験として太陽電池モジュールに対して試験を行います。パワコンと接続されている場合は切り離してから耐圧を行ってください。

耐圧ポイント

メーカーによってはPCSごと電圧を印加してもいいものもあるが事前に確認が必要です。パワコン内部に搭載されているSPDなど電圧に許容値があるためです。勝手に印加してしまうとメーカーの保障対象外になりますので注意して下さい。

耐圧試験のイメージとして上図の様になります。MC4を短絡する際は、日中に行うと短絡電流が流れ機器の損傷につながります。大変危険の為、日射がない夜間等の実施を推奨します。※曇りでは少ないですが発電しています。

■試験電圧について

◇試験電圧=パネルの開放電圧×直列枚数×1.5倍=試験電圧値

電技解釈☟

太陽電池モジュールは、次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

一 最大使用電圧の1.5倍の直流電圧又は1倍の交流電圧(500V未満となる場合は、500V)を充電部分と大地との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

電気設備の技術基準の解釈より引用

判定基準とは


◇耐圧試験の判断基準とし以下の様になります。

判定基準

・印加前後の絶縁抵抗に異常がなく変色・変形等が認められなかった場合判定は良

印加前に一度絶縁抵抗値を測定しておく必要があります。


報告書に記載する項目(参考例)

◇試験の記録も保存しておく必要があり場合によっては提出するため記録しておくべき事項を記載します。

記録事項
  • 試験日時
  • 温湿度
  • 天候
  • 検査者
  • 試験器型式・シリアルNo
  • 試験条件
  • 印加電圧
  • 印加前後の絶縁抵抗
  • 時間毎に漏れに異常がなかったか
  • 印加後の判定

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長野電気管理事務所

電気設備の点検を得意とし、竣工検査、使用前自己確認、太陽光O&M、保安管理業務など、SNSも随時更新中です。

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