接地抵抗値、共用接地について

この記事でわかること

・接地抵抗値の基準
・共用接地について
・接地が必要な機器

目次

接地(アース)とは


アースとは機器などを大地と直接接続することを指します。
接続することによって、感電の被害から私たちを守ってくれます。

又、漏電した電流はアースを使って大地に流れるため
漏電遮断器などの機器の正常動作の手助けにもなります。

アースの接続は機器の設置場所によって義務化されています。
アースを接続してから機器を使用して下さい。
未接続の状態では感電のリスクがあります。

接地抵抗値について


接地抵抗の値は電気設備技術基準の解釈より
以下の値以下にすることが定められています。

接地工事種類接地抵抗値接地箇所    使用可能アース線
A種接地工事10Ω高圧又は特別高圧引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線
B種接地工事各電力会社より計算される値以下変圧器電気設備基準の解釈第17条
17-3表に規定するものであること
C種接地工事10Ω(0.5秒以下の遮断500Ω)300V超過引張強さ0.39kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径1.6mm以上の軟銅線
D種接地工事10Ω(0.5秒以下の遮断500Ω)300V以下

共用接地について


以下の条件に該当する場合は、接地を共用することができる。

・抵抗値が十分に低く、機械器具のA種、D種、C種、※B種(混触防止)は
 共用することができる。

また建物が一定の条件を満たすことで
接地としても使用可能。

大地との間の電気抵抗値が2Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、
これを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる。

一 非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事
二 非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事

電気設備の技術基準の解釈より

接地が必要な機器


A種接地工事

・特別高圧電路に結合される高圧電路
・特別高圧計器用変成器の2次側電路
・電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(高圧又は特別高圧)

B種接地工事

・高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器
・特別高圧を直接低圧に変成する変圧器

C種接地工事

・電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(300V超過)

D種接地工事

・高圧計器用変成器の2次側電路
・電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(300V以下)

※注意
接地機器に関してすべてを網羅しておりません。
主要機器に関して記載しております。

参考程度にお願いいたします。

接地が必要な工事


高圧配線の施設

管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの
 被覆に使用する金属体には、A種接地工事を施すこと。

緩和処置
接触防護措置を施す場合は、D種接地工事。

合成樹脂管工事

低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、
 ボックス又は粉じん防爆型フレキシブルフィッチングにC種接地工事を施すこと。

緩和処置
接触防護措置を施す場合は、D種接地工事。

金属管工事

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、管には、D種接地工事を施すこと。

緩和処置

・管の長さが4m以下のものを乾燥した場所に施設する場合
・ 屋内配線の使用電圧が直流300V又は交流対地電圧150V以下の場合において、
 管の長さが8m以下のものに簡易接触防護措置を施すとき又は乾燥した場所に施設するとき

低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、管には、C種接地工事を施すこと。


接触防護措置を施す場合は、D種接地工事。

金属可とう電線管工事

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、電線管には、D種接地工事を施すこと。


・管の長さが4m以下のものを施設する場合は、この限りでない。

低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、電線管には、C種接地工事を施すこと。


接触防護措置を施す場合は、D種接地工事。

金属線ぴ工事

線ぴは、D種接地工事を施すこと。

(該当する場合は、この限りでない。)
・ 線ぴの長さが4m以下のものを施設する場合
・屋内配線の使用電圧が直流300V又は交流対地電圧が150V以下の場合において、
 線ぴの長さが8m以下のものに簡易接触防護措置を施すとき又は乾燥した場所に施設するとき

金属ダクト工事

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、ダクトには、D種接地工事を施すこと

低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、C種接地工事を施すこと。


接触防護措置を施す場合は、D種接地工事。

バスダクト工事

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、ダクトには、D種接地工事を施すこと。


低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、C種接地工事を施すこと。


接触防護措置を施す場合は、D種接地工事。

ケーブル工事

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、
 管その他の電線を収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及び電線の被覆に使用する金属体には、D種接地工事を施すこと。

緩和処置 (該当する場合は、この限りでない。)
・防護装置の金属製部分の長さが4m以下のものを乾燥した場所に施設する場合
・ 屋内配線の使用電圧が直流300V又は交流対地電圧150V以下の場合において、
 防護装置の金属製部分の長さが8m以下のものに簡易接触防護措置を施すとき又は乾燥した場所に施設するとき

低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、
 管その他の電線を収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及び電線の被覆に使用する金属体には、C種接地工事を施すこと。


接触防護措置を施す場合は、D種接地工事。

まとめ
電圧や設置個所によって種別は変わる
電技解釈に基づき正しい工事が求められる。

当事務所でも接地抵抗測定値だけでなく
竣工検査一式、行っております。
ぜひ一度、お問い合わせ下さい。

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この記事を書いた人

太陽光業界に従事しており、
得意分野は太陽光関係の点検になります。

使用前自己確認、絶縁抵抗、接地抵抗、耐圧試験
外観検査、保護継電器試験、温度測定....ectなど
電気設備に関する情報発信も行い、私自身も点検
で現場に入っております。

今後もいろいろな設備を点検すべく
情報発信をしていきます。

点検に関するお問い合わせお待ち
しております。

試験内容の確認などにZOOMや
現地へのお伺いも可能です。
お気軽にご相談下さい。

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