この記事でわかること
・太陽光パネルの電圧について
・絶縁抵抗測定方法について
・絶縁不良とはどんな場合か
・測定可能な機器
太陽光パネルの電圧に関する考え方
絶縁抵抗測定を行う前にパネルの電圧を
知っておく必要があります。
太陽光パネルは基本的に複数枚を直列で
接続し運用していることが一般的です。
太陽光パネルの電圧は☟
パネル1枚の電圧×直列枚数
参考例として以下の条件の発電所が
あるとします。
回路構成(例)
・パネル電圧:49.05v
・直列枚数:18直列
この回路構成のストリング電圧は
49.05×18直列=882.9v
になります。
ストリングの電圧はPCSごとに
変更されている可能性があるため
単線結線図や図面などで確認して
おいた方がよいです。
絶縁抵抗の測定方法
太陽光パネルの絶縁抵抗測定は
通常の回路と違います。
太陽光パネルは日光があるところでは
発電しているため回路に電圧が発生します。
測定手順(例:HIOKI使用)
測定レンジをPVモードに切り替え
機器本体の残電池をチェックする。
アースサイドと短絡させた状態で
絶縁が0MΩになることを確認。
※0MΩにならない場合測定が
うまくできない可能性があるので
接続部分の確認、または校正をして下さい。
アースに接続した後、回路の測定を開始
※PVモード内でも回路電圧を500vまたは
1000vで切り替える必要があります。
測定回路の電圧を上回る電圧レンジでの
測定を行ってください。
参考例
49.05×18直列=882.9vだった場合
機器のレンジは
PVモードの1000vにて測定
判定基準とは
絶縁抵抗測定の判定基準は定められています。
・電気設備に関する技術基準を定める省令
第58条より
使用電圧 | 判断基準 | ||
---|---|---|---|
300v以下 | 対地電圧150v以下 対地電圧150v超過 | 0.1MΩ 0.2MΩ | |
300v超過 | 0.4MΩ |
絶縁不良原因は?
絶縁不良の原因として以下の要因が
考えられます。
- ケーブルの劣化
- ケーブルの損傷
- 太陽電池モジュールの損傷
ガラス割れ
太陽光パネルは屋外に設置されるため
直射日光、塩害、野生動物などにより
絶縁が低下する可能性があります。
人的要因もあり施工不良や草刈りなどの
メンテナンス時に切断してしまうなども
可能性として挙げられます。
測定機器
太陽光パネルを日中に測定する場合は専用の
測定器が必要になります。
3機種メジャーな機種をご紹介します。
日置電機株式会社
一番使用されているのはHIOKIの
絶縁抵抗計になるかと思います。
サイズも大きくなく一番使用しやすいです。
通常の回路も測定できます。
共立電気計器株式会社
HIOKIと同じく検査機器メーカーになります。
接地抵抗値もこの一台で測定できるなど
マルチの測定機器になります。
複数台そろえるのが大変という方には
共立が選択肢になるのではないでしょうか。
マルチ計測器株式会社
大手2社以外で一番メジャーです。
サイズ感もHIOKIに似ています。
その他の機器
上記3機種は測定回路が1000v未満の回路に
限定されます。
回路電圧が1000vを超える場合は
使用できません。
国内メーカーでは数少ないですが
1000vを超える回路を測定できる機器も
販売されています。
日置電機株式会社
太陽光発電設備のPVは最大2000vまで測定可能
金額は1000v未満の測定機器に比べて倍以上に
なるため現場次第で購入を検討して下さい。
最後に
今回は太陽光パネルの絶縁抵抗測定に関して
解説しました。
日中の測定は電圧が発生しているため危険です。
間違って短絡してしまうと回路に電流が
発生し、火災の原因にもなります。
電気火災は消火が難しい為、
大きな火災につながる可能性が高いです。
使用方法など確認しましょう。
当事務所では絶縁抵抗測定のみも
ご依頼いただけます。
ご相談、お見積りお待ちしております。
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