使用前自己確認はやらないといけないのか?根拠について解説します。

この記事でわかる事

・使用前を実施する根拠
・検査未実施による罰則
・立ち入り検査の状況

■そもそも使用前自己確認やる根拠とは?


◇使用前の実施は電気事業法で定めがあります。太陽光は電気事業法施行規則の別表第6及び別表第7で対象に定められています。

◇電気事業法とは?

電気事業の運営の適正化・合理化、および電気工作物の工事・維持・運用に関する規制を定めた法律です。電気主任技術者、設置者はこの電気事業法の技術基準に適合するよう維持しなければなりません。適合しない場合、使用の停止が命じられる事もあります。

使用前自己確認検査の対象範囲

以下は太陽光発電設備の使用前対象一覧になります。

  • 【新設の場合(別表第6)】
    • 2.太陽電池発電所又は太陽電池発電設備
      出力10kW以上2,000kW未満のもの
  • 【変更の場合(別表第7)】
    • 3.太陽電池発電所又は太陽電池発電設備における変更であって次に掲げるもの
      • 一 出力10kW以上2,000kW未満の発電設備の設置(5%以上の出力の変更を伴うものに限る。)
      • 二 発電設備の設置以外の変更であって次に掲げるもの
        • (1) 出力10kW以上2,000kW未満の太陽電池の設置
        • (2) 出力10kW以上2,000kW未満の太陽電池の取替えであって、
          次に掲げるもの
          • イ 支持物の工事を伴うもの
          • ロ 5%以上の出力の変更を伴うもの
        • (3) 出力10kW以上2,000kW未満の太陽電池の改造であって
          次に掲げるもの
          • イ 20%以上の電圧の変更を伴うもの
          • ロ 5%以上の出力の変更を伴うもの
          • ハ 支持物の強度の変更を伴うもの
        • (4) 出力10kW以上2,000kW未満の太陽電池の修理であって、支持物の強度に影響を及ぼすもの
中部近畿産業保安監督部近畿支部より参照 

細かい規定はあるものの出力10kwから2000kw未満が大まかには対象となっています。ひと昔前は500kw以上からだったのでかなり範囲が拡大されています。変更した場合も上記の内容に該当する場合使用前が必要になります。

■使用前自己確認を提出しないとどうなる?


◇使用前自己確認は電気事業法で定められているため罰則があります。使用前自己確認結果を届け出なかった場合や虚偽の申請を行うと、電気事業法により30万円以下の罰金が課せられます。FITの承認取り消しや自家消費の発電停止命令につながりかねないので注意してください。

◇立ち入り検査もある

管轄の産業保安監督部のHPより定期的に立ち入り検査が行われているのが分かります。行政処分を受けると会社名もHPに記載されてしまいます。立ち入り検査のタイミングは突然ときます。検査では試験の結果や発電所の運用状況の確認が行われます。試験など未実施の場合はこの段階で指摘されます。

■使用前自己確認をやるタイミングはいつか


◇検査自体は原則、使用開始前に行うことになります。

「使用開始前」とは

送配電事業者や既存設備との連系前ではなく、正式な「使用を開始」(売電や自家消費の場合、発電電力の
使用を開始)する前です。連系を行わなければ、試験できない項目もあります。開始する前に検査し産業保安監督部の承認を得る必要があります。

売電日などから逆算し1カ月前には使用前自己確認検査ができるように工事が終わっている必要があります。忙しい時期にもよりますが承認が下りまで早くても1週間から2週間程かかります。管轄の産業保安監督部次第で提出方法も違うので要注意です。

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当事務所でも使用前自己確認を一式行っております。お気軽にお問い合わせください。

長野電気管理事務所

電気設備の点検を得意とし、竣工検査、使用前自己確認、太陽光O&M、保安管理業務など、SNSも随時更新中です。

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